【取材】脱北者から聞いた〝脱北の方法〟教えます
取材を受けた人:金ジュソン
著者:Jack Law
監修:平尾一美
90年代後半、脱北者急増
80年代後半には自然災害で農作物の生産が減り政府から国民への食料品の配給が止まった。国民の多くは食料品の配給が止まったことに慌ててパニックになった。90年代後半になると餓死者が急増した。
脱北のきっかけとは・・・
1994年、北朝鮮の建国者の金日成が亡くなり、同時期にヨーロッパの社会主義国家が次々と崩壊していった。北朝鮮の経済状況は悪化し人身売買が行われ女性が中国に出稼ぎに行った。
これが脱北のきっかけとなった
韓国政府は集団餓死者の問題に考え脱北者を救うため韓国ルートが開かれた。(韓国に憲法では北朝鮮人も韓国人と認めています。同じく、北朝鮮の憲法でも韓国人を北朝鮮人と認めています。)つまり、韓国政府は自国民保護のため脱北者の保護の韓国ルートを開いたのです。
脱北のルート
主に4つの脱北ルートがある
+αとして2つの脱北ルートがある
- ロシア経由
- 中国経由
モンゴル経由(現在は使われていない)
90年代の終わりはモンゴル経由での脱北が有名だった。しかし、砂漠があるため餓死してしまう危険性があり、リスクが大きいため現在はこのルートは使われていないのが現状である。
現在の主な脱北ルート
タイ経由、ベトナム、カンボジア、ラオス経由での脱北が増えているのが現状である。
脱北の手段として北朝鮮からブローカーを通して中国へ行き、中国から偽パスポートで船や飛行機で脱北する方法である。
タイから強制送還された事例は1,2回しかない。そして、脱北者を北朝鮮強制送還する行為は海外から印象が悪いため強制送還をすことは少ないのが現状である。
タイにも北朝鮮大使館はあるが脱北者を北朝鮮に強制送還する資金がないため強制送還される心配はない。
なぜ中国経由での脱北者が少ないのか?
中国経由での脱北者はいない事は無い。以前の例では、北朝鮮から中国へ行き、中国にある韓国大使館に逃げ込んだ例がある。韓国大使館の中にいれば安全だが、そこから、韓国に行くまでに1年以上かかるのである。そして、中国で見つかれば北朝鮮へ強制送還されてしまう危険性もあるため、中国経由での脱北は苦労してしまい人気ではない。
ロシア経由で脱北する事は可能か?
ロシア経由での脱北は可能である。80年代、ソ連崩壊以降、ロシアは資本主義社会で民主主義国家となり、ロシアは人道的である。そのため、北朝鮮からの脱北者を北朝鮮へ強制送還するようなことはしない、しっかりと脱北を支援しているのである。
北朝鮮から海外労働派遣やキコリという形でロシアに行く人がいる。彼らの中には、入国管理局に逃げ込む人や韓国大使館に逃げ込む人がいる。そのようにして脱北している。
ジュソンさんが脱北をした理由
ジュソンの脱北のきっかけは、日朝関係の悪化により日本からの仕送りが悪くなったため生活が苦しくなり脱北を決めた。
脱北をするためにはブローカーにお金を渡す必要がある。しかし、その金額は北朝鮮人の給料を考えると払うことが難しい金額である。そのため、韓国についてからブローカーにお金を払う方法もある。
韓国、北朝鮮の憲法でお互いに国民と認めている。そのため、北朝鮮人にも脱北後は韓国籍が与えられて、脱北後に生活するために支援金がもらえる。その支援金をもらってからブローカーにお金を払うという方法もある。
ブローカーは後払いで大丈夫なの・・・
北朝鮮からブロガーを通して中国へ行ったら、まず、脱北費用の後払いの契約書を書かされる。その書類には、署名捺印もする。そして、ビデオも撮る。しかし、この書類には何の法的効力は無い。
中国にいるブローカーは韓国にいる脱北者と繫がっている。そして、韓国でどこに住んでいるかわかっているため、後払いをしない脱北者はいない。
ジュソンさんの脱北のルート
北朝鮮から中国に渡ったら、写真を撮って偽の住民登録証で列車に乗り中国大陸を横断する。そして、雲南省へ行く。雲南省からは、川を渡ったりしてラオス、カンボジア、メコン川をウォーターボートで渡りタイへ上陸した。
タイに着いたら警察に自首をした
密入国で裁判、そして、韓国へ強制送還することとなった。その後は、韓国政府が保護してくれて臨時パスポートを発行してくれた。その後、大韓航空で韓国に入国した。
ジュソンさん脱北成功\(^o^)/