【取材】人生の転機、刑務所で倫理の勉強=フナイム

著者:編集部

取材を受けた人:フナイムさん

 

人生を変えてくれたのは刑務所で出会った「倫理」の授業だった

「人生を変えてくれたのは刑務所で出会った「倫理」の授業だった」、そう語るのは元詐欺グループリーダーのフナイムさんだ。

 

「なんで自分は哲学者や偉人達と同じ考えではないのだろうか?」

 

「なぜ刑務所にいるのか?」

 

とフナイムさんは「倫理の勉強をしている最中に疑問に思い、その理由を解きたくなった。」という。

 

今回の取材は元詐欺師で現在は犯罪撲滅活動家のフナイムさんにインタビューした。フナイムさんは今から約7年前の2015年に特殊詐欺などの容疑で逮捕、求刑9年、実刑5年4ヶ月の受刑者生活を刑務所で送った。その後、2年前に出所して当時の受刑者番号であった「2716」をカタカナ読みをして「フナイム」と名乗り出所して社会に出てからも受刑者のときの気持ちと変わらず当時、起こしてしまった事件への反省と更生、成長を目標としてこの「フナイム」という名前で活動している。

 

フナイムさんは刑務所に入ることが決まると「出所するまでのTO DO リスト」を作り目標を立てた。刑務所の中では高卒認定や英語、韓国語といった語学の勉強などをして檻の中の時間で自由に使うことができる余暇の時間や土日祝日を勉強の時間にあてていたという。フナイムさんは高卒認定の中で選んだ科目は「倫理」だったという。「倫理」を選んだ理由は「簡単そうだから。」といった単純な理由だった、しかし、教材が手元に届きテキストを開いて見ると想像していた内容とは違って驚いたそうだ。「倫理」とは「良い」か「悪い」かの小学校の道徳の授業のような物とは全然違っていて哲学書を読みあさるような感覚だったという。フナイムさんは出所までに立てた計画を遅らせたくなかったので他の科目に変更することもできたが取り寄せるまでの時間を考えると倫理を選択することにしたという。

 

夜9時の就寝から朝6時30分の起床までの時間、フナイムさんは倫理のテキストに書いてあった内容を考え続けた。最初は何を言っているのかわからなかったこともあったというが後々、その意味を理解できるようになったという。倫理の勉強を通して道徳的考えの大切や思いやりの気持ちを理解したという。

 

役者を目指し演劇の稽古の毎日だった小学校時代

フナイムさんは某市で生まれ1歳半のときに父親と母親が離婚し祖父母と母と一緒に上京した。フナイムさんは子どもの頃から役者になりたいという夢を持ち小学校生活の大半を演劇の稽古に注いだ。小学校6年生のときに母親と父親が再婚し厳しく父親は「演劇なんかよりもスポーツをやれ!」という考え方で演劇を続けることができなかったという。父親は厳しく「勉強やれ!」と言って育てて来たが、フナイムさんが高校2年生のときに「大学の経済学部に行きたい」と父親に言うと父親は「大学なんか活かせねぇ。そんな金なんかねぇ。」といい今まで「勉強やれ!勉強やれ!!」と言っていた父親の態度から一転したという。その後、フナイムさんは高校3年生のときに高校を中退し埼玉県に住んでいた祖父母の家に行った。

 

融資保証金詐欺だった、詐欺の世界への入口は

20歳頃に水商売の仕事に就いていた。当時もフナイムさんは役者になりたいという夢を持っていた。お客さんの紹介で映画のエキストラなどをやっていた。23歳で六本木の水商売のお店に移動することとなった。このお店で出会った客との出会いが人生を変えることになるとは思ってもいなかったという。

 

お客さんはフナイムさんに「夜の仕事なんかしてないで、昼の仕事で50万〜100万円稼げる仕事、紹介するよ。」といい、

 

怪しいと思ったフナイムさんはお客さんに「これって普通の仕事ですよね?」と訪ねた。

 

お客さんは「普通の仕事だよ。」と答えた。

 

フナイムさんはそのお客さんを信用し水商売の仕事を辞めて身分証のコピーを持ってスーツで指定されたマンションの一室に行った。そこは、鳴り止まない電話と電話で怪しげなお金のことを話す男達がいた。フナイムさんは「これは詐欺だ!」と察しがついた、だが、そのときにはもう遅かった。

 

もう既に身分証のコピーを渡していた。

 

身分証のコピーが詐欺の世界へから逃げ出せない足かせになってしまった。

 

詐欺事件で逮捕、懲役5年4ヶ月

フナイムさんは詐欺グループを転々とし後にマンションのワンフロアを貸し切るような詐欺グループのリーダーとなった。当時の最高月収は2000万円だったそうだ。最初は詐欺に対する罪悪感があったが、徐々にその感覚は薄れていって罪悪感はお金への欲望に変わり詐欺を続けていたが2015年に逮捕され、求刑9年、実刑5年4ヶ月の刑を勤めた。

 

刑務所で倫理の勉強、今は犯罪撲滅活動家に

フナイムさんは民間刑務所に移送されることが決まると刑務所の耳管を有意義な時間にしたいと思い「出所するまでに行うことのTO DOリスト」を作り、刑務所の時間を有効活用し高卒や英語、韓国語の勉強をしていた。夜9時の就寝から朝6時30分の起床までの時間、フナイムさんは倫理のテキストに書いてあった内容を考え続けた。最初は何を言っているのかわからなかったこともあったというが後々、その意味を理解できるようになったという。倫理の勉強を通して道徳的考えの大切や思いやりの気持ちを理解したという。出所後の現在は犯罪撲滅活動家として社会から犯罪を撲滅することを目標に大学での講義やテレビなどのメディアに出演し自身の実体験を語ったり今、世の中で起きている犯罪の分析などをしている。