【取材#3-2】公安調査庁の諜報活動の実態に迫る...

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著者:Jack Law

取材を受けた人:藤谷昌敏さん(元公安調査庁調査官)

 

公安調査庁とはどのような組織なのか?

公安調査庁と聞くとCIAなどのスパイ映画のような活動をしているのだろうと考える人も少なくないであろう。公安調査庁のホームページによると次のように語っている。

公安調査庁は,破壊活動防止法無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律に基づき,公共の安全の確保を図ることを任務として,オウム真理教に対する観察処分を実施するとともに,国内諸団体,国際テロリズム北朝鮮,中国,ロシア等の周辺諸国を始めとする諸外国の動向など,公共の安全に影響を及ぼす国内外の諸情勢に関する情報の収集及び分析に取り組み,我が国情報コミュニティの一員として,情報(インテリジェンス)の提供を通じた政策決定への貢献に努めています。

(引用:公安調査庁ホームページ、https://www.moj.go.jp/psia/20130806.shokai.html

 

つまり、国内外の危険な団体を尾行や監視をすることやヒューミントを通した情報収集をし、分析をし国家の安全のために働いている組織である。

 

ヒューミントによる情報収集

公安調査庁は尾行や監視をしているだけではない。ヒューミントによる情報収集も行っている。公安調査庁は日本の情報機関の中では対外情報機関の要素が強い。その理由の一つとしてCIAやMI6にその組織形態が非常近いからである。CIAやMI6は逮捕権や捜査権を持たない、映画などでCIAのエージェントはターゲットと接触し情報を得ることや人を救出するなどの活動がされているようにCIAも公安調査庁と同じく逮捕権や捜査権を持たないのである。そのため、公安調査庁やCIAやMI6の情報収集の1つの手段としてヒューミントを用いられているのである。

 

なぜ、公安調査庁やCIAは捜査権や逮捕権を持たないのか?

公安調査庁やCIAなどの対外諜報機関は、そもそも逮捕を目的としていないのである。捜査権や逮捕権を持ってターゲットに近づくと逮捕される恐れを警戒しターゲットは口を閉ざしてしまう。しかし、逮捕の恐れがなければターゲットは口を開きやすくなるというのだ。それが、公安調査庁の捜査権や逮捕権を持たない理由であり、ヒューミントの能力を高められた理由である。